2011-01-01から1年間の記事一覧

あざなえる縄

今年は東日本大震災とそれに伴う原発事故や、 西日本の夏の台風の被害と、災害に明け暮れた年であった。 この一年、私も大震災に伴って精神的に不安定になった。 それに8月に、長いこと学校教育に携わってきた大叔父が 亡くなり、9月には叔母の父親が亡くな…

負けるが勝ち

学校の水槽でヤマメの稚魚が飼育されている。 冬の間飼育して、少し大きくなったら近くの川に放流する予定だ。 川の清流で生きるヤマメと、海に住むサクラマスは 同じ卵から生まれたサケ科の魚である。 ヤマメは川の流れに身を潜めて、流下する水生昆虫や河…

法要に思う

10月に亡くなった祖母の四十九日の法要が 無事に終わった。 普段めったに会えない一家も来ていた。 こういう場がないと会うこともないだろう。 これはきっと祖母がみんなに引き合わせてくれたようにも思える。 納骨の儀式にも参列した。 お墓の中には先代の…

ジョウビタキ

冬の野鳥ジョウビタキを見た。しばらく電線に止まっていたが、どこかへ飛び去っていった。 最初にこの鳥を見たのは数年前のことだった。 川沿いの民家の庭の木に止まっているのを見たとき、柿のような鮮やかなオレンジ色の体に黒い翼の両側にある大きな白斑…

大リーガー

アメリカ大リーグの鉄人カル・リプケン氏が来日している。 今年2度目の来日である。 野球を通して震災した日本を励ますために来日して、 主に被災地で野球教室を開く予定だそうだ。 私は25年前に、日米野球で来日したリプケン選手にお会いしてサインをいただ…

生きがい

"A man takes a job, you know, and the job becomes what he is." "You do a thing and that's what you are." "You get a job, you become the job." 「ある仕事に就いたらその仕事がその人自身の姿になるんだ」 「君が何かをすれば、それが君という人間そ…

心の琴線

連合赤軍事件の主犯者である永田洋子は、 瀬戸内寂聴と手紙のやりとりをしていたことがあった。 瀬戸内寂聴は永田洋子のことを「幼い」と評した。 「彼女の手紙には必ず絵が描いてあって、 おいしいものを食べた、とか書いてくる。 これが革命戦士を名乗る活…

失敗から学ぶ

There could be no honour in a sure success, but much might be wrested from a sure defeat. T.E. Lawrence "Revolt in the Desert" 「確実な成功をおさめても何の名誉も得られないだろうが、確実な失敗から得られるものは多かろう」 T.E. ロレンス『砂漠…

永遠の休暇

今日の正午に祖母が亡くなった。 享年93歳。 祖母に会いに行こうと、病院を目の前にしたところで、 叔父から祖母の容態が急変したとの知らせが入った。 今朝は朝食も取れて意識があったそうだ。 昨日も従兄弟と長いこと話して喜んでいたと聞いていたのに、 …

秋の日の再会

久しぶりに、寺岡恒一さんのお墓参りと、 寺岡さんのお母様にお目にかかることができた。 寺岡さんのお母様もお元気そうで、嬉しく思った。 この春は震災の影響で落ち着かなかったそうだ。 来年は早くも連合赤軍事件から40年になる。 私は今までもあまり事件…

季節の紅茶

私は紅茶では夏摘みダージリン(セカンド・フラッシュ)が 一番好きだ。 ダージリン紅茶にはシーズンがあって、新鮮な味がする春摘み(ファースト・フラッシュ)が一番人気があるそうだ。 私は春摘みは、味が淡白で色も薄く、渋みだけが口に残って、あまりな…

筆跡

It seemed to me that every portrait drawing of a strange-sitter partook somewhat of the judgement of God.T. E. Lawrence "Seven Pillars of Wisdom" 「あらゆる他人の肖像画は、 何か神の裁きのように思える気がした。」 T.E.ロレンス著『知恵の七柱…

限られた時間

8月下旬に入院した祖母の容態が良くないとの連絡があった。 ずっと前から心臓が悪くて入退院を繰り返して いたが、それでも元気に過ごしていたと思っていた。 心臓の弁の働きが悪く、いつ心不全になっても おかしくない状態だそうだ。 祖母とはこの8月1日に…

六波羅蜜寺

ゴールデンウィークの前半に、揺れない時空を求めて 比叡山を訪れたが、その前に京都の六波羅蜜寺にも 行ってみた。 平安時代、京の都に疫病が流行って多くの死者が出た時に、 空也上人が観音像を車で引きながら町中を歩き回り、 お茶を民衆に与えて病を沈静…

高校野球

昨日から夏の高校野球全国大会が始まった。 小学生の時、確か高学年だったと思うが、 クラス全体が高校野球に夢中になったことがあった。 その時なぜか大阪代表のPL学園をクラスの皆で 応援した。 学校とは何の関係もなかったが、 当時応援を取り仕切って…

peace 平和

日本人なら誰しも今日のこの日に実際起きたことを当然意識して、 平和の尊さを願わずにはいられない日である。 平和を意味する英語"peace"は、鳥の声にも似ている。 カタロニア(現スペイン)出身のチェロの巨匠カザルスは、国連平和賞の授賞式で 「わが故郷…

ヒヨドリ

朝早くヒヨドリの大きな声がしたと思ったら、 庭のブルーベリーの木にヒヨドリが誤って防鳥ネットにひっかかって身動きできずにいるのを見つけた。 普通、防鳥ネットがあると鳥は近寄らないものだが、きっと独り立ちして間もない若くて経験不足のヒヨドリだ…

健全な精神と身体

「健全な精神は健全な肉体に宿る」 という言葉がある。 連合赤軍事件の主犯者であった永田洋子は バセドウ病を患っていた。 この病気は甲状腺機能が異常に亢進するため、 疲れやすくイライラして怒りっぽくなるといった症状が上げられる。 永田洋子が山岳ベ…

あさま山荘の落とし前 事実は語る

映画『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』の中で、あさま山荘の管理人が「私を裁判には呼ばないでください」と、坂口弘に懇願する場面がある。 このセリフを聴いた瞬間、この映画は正に「実録」の名のとおり、詳細にわたって事実のみを描いた作品であると分…

あさま山荘の因果

人の巡り合せは時として非常に奇異なことがある。 まるで神様が仕組んだシナリオのようにも思える 出来事がある。 そのひとつが、あさま山荘の管理人と連合赤軍との運命の出会いである。 連合赤軍による、あさま山荘人質事件で、 人質となった山荘の管理人は…

血液型

日本人は血液型と性格を結び付けて考える人が多いという。 そうなると人の性格は4種類しかないということになる。 それでは骨髄移植を受けて人生の途中で血液型が変わった人は、その時点で生まれ持った性格までも変わってしまうというのか?例えば1971年の大…

インスピレーション

私はあまり霊感を信じないほうだが、偶然の一致というものか、 一昨日テレビで石田純一が出演している番組を見ていた。 その時なぜかオーストラリアのカウラのことを考えていた時だった。 石田純一はオーストラリアのテレビ映画『カウラの暴動』に出演して、…

マムシ

私が今住んでいる所はマムシの生息地でもあり、 昨日も職場がある学校のそばに、マムシの死骸が あった。道端で車に轢かれたらしい。 猛毒を持つマムシに噛まれたら命を落とす危険性もあり得るから、市内の主な病院にはマムシの血清がある。 少し離れた野山…

明日ありと思う心

「明日ありと思う心のあだ桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」 親鸞 延暦寺でこの句が書かれた書を見た。 今、盛大に咲き誇っている満開の桜を 明日見ようと思っていたが、夜半に嵐が来て 一瞬のうちに全部散ってしまった。 明日があると思ったことが、あだとなり…

揺れない時空で

3月11日の東日本大震災と連日の余震で、 すっかりくじけてしまった私は、少しでも揺れない時間を 過ごしたいと思って、4月の連休前半に比叡山を訪れた。 延暦寺の宿坊に泊まることにしたが、 その動機は宿坊の精進料理が盛られた朱塗りの応量器が 見事なのに…

つなみ

"Father, are we not very unfortunate people to live in Japan?" "To live in the midst of danger is to know how good life is,"his father replied. "we Japanese are a fortunate people. We love life because we live in danger" Pearl S. Buck "The…

2年前の出来事

2年前のこの日は、実に思い出深い日であった。 映画『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』で、寺岡恒一役を演じた俳優の佐生有語氏と、写真家の古田登紀子さんと、ご一緒して、寺岡さんの墓参と恒一さんのお母様にお会いできた日である。 今日はあいにくの雨…

一寸先は闇

今回の大震災は私も心身ともにすごく応えた。 いまだにおさまらない余震に強い不安と恐怖を感じて 不整脈が頻発して眠れなくなったため、病院を受診して 精神安定剤をもらい、心臓の検査も受けた。 不整脈はあるもののそれほど深刻な状態ではないため、 まず…

巡る季節

東日本大震災以来、心身ともに落ち着かない日々を過ごしているが、それでも季節は巡り 再び桜の季節になった。 満開の見事な桜の花を見ていると 気分も前向きになる。 何も考えずにただ満開の桜を見ている時間が 何と貴重なものかと感慨深い思いがする。 私…

音楽療法

東北関東の巨大地震以来、地震ノイローゼに陥って、ほんのわずかな余震でも不整脈がでて、精神安定剤を飲み続けて不安な日々を過ごしている。 この余震は本当に収まってくるのかと、いつもそんなことばかり考えてしまう。 そんな時、音楽が心身ともに癒され…