追想

Stranger than fiction 検診の意味

Truth is always strange; Stranger than fiction. "Don Juan" by George G. Byron(1788〜1824) 「事実は常に奇遇だ。小説よりも奇遇なものだ」バイロン(『ドン・ジュアン』より) 私の友人が、くも膜下出血で倒れたとの知らせがあった。 幸い命は助かり後…

大河ドラマに想う(2)辞世の句

大河ドラマ『おんな城主直虎』で、高橋一生氏が演じた小野政次の祖先に、 和様書道家であり三蹟の一人である小野道風がいた。 小野家は代々この小野道風の書を伝えたのだろうと思う。 小野政次もきっとかなり達筆な人だったにちがいない。 大河ドラマで、政…

大河ドラマに想う 賓客(まろうど)

幕末の卑劣な暗殺集団としてさげすまれた新選組が、司馬遼太郎の『燃えよ剣』で 一躍脚光を浴びたり、安政の大獄で多くの有能な人材を弾圧して疎まれた井伊直弼が、NHKの大河ドラマ『花の生涯』でその人物評価が見直された。 小説やドラマで歴史上の人物が今…

わが故郷

久しぶりに生まれ故郷の横浜に行った。 横浜にいた記憶はあまりないが、 行ってみると断片的だが故郷の記憶がよみがえってくるように思えた。 やはり故郷はいいものだ。 故郷は生まれ育った所に限ったものではないかもしれない。 自分にとって心のよりどころ…

悠悠閑閑

このダイアリーのタイトル「悠悠閑閑」という言葉を初めて知ったのは高校の卒業文集であった。 書いたのは美術の先生だった。 私はその先生には直接習ったことはないし言葉を交わしたことさえなかったが、顔には口ひげを蓄えて、どこか飄々としたイメージの…

雪景色

昨日から明け方に積もった雪は、ここは東京かと疑うばかりの すさまじい積雪だった。 首都圏では交通機関が麻痺して運休する鉄道が多い情況だ。 雪で電車に閉じ込められてしまった不運なニュースを聞くと、 気の毒だがアガサ・クリスティの『オリエント急行…

祖母の証言

東京都内でアパートを経営していた祖母は、 連合赤軍事件について詳しかった。 特に印旛沼事件のことは、祖母から聞いた。 印旛沼事件は、連合赤軍が辿ることになる悲惨な 結末の始まりであり、学生運動の成れの果ての始まりとも言える事件であった。 祖母は…

柿の木

10月27日に寺岡恒一さんのお母様を、連合赤軍の全体像を残す会の皆様とお伺いした際に、 寺岡さんの庭の柿の実を皆で取らせていただいた。 お宅の庭に入ったのはこの時が初めてだった。 庭には白いぜフィランサス(タマスダレ)の花も咲いていた。 恒一…

ヨゴサワさん

私がまだ小・中学生だった頃、天気予報の番組に 気象予報士のヨゴサワさんという方がいらした。 たぶん「与五沢」さんという字だったと思った。 ヨゴサワさんという名前が珍しいこともあるし、気象の解説が分かりやすかったので、天気予報の時間に なると、…

Daffodil Day

オーストラリアの友人が末期癌だとの知らせがあった。 彼女とはもうかれこれ四半世紀の交流がある。 オーストラリアでは8月下旬から9月上旬に daffodil(ラッパスイセン)の花が咲く。 ちょうどその時期にオーストラリアではDaffodil Dayという 癌撲滅を目的…

琥珀王国

三陸鉄道の久慈駅の愛称が、「琥珀王国」に決まったそうだ。 駅舎も琥珀をイメージした建物に改装したのだそうだ。 久慈は北限の海女と琥珀と焼き物の町だが、 特に琥珀に対する思いが強そうだ。 久慈のシンボル的な建物に、アンバーホールという 市の文化会…

きぶどう

久慈の特産物に、きぶどうのジュースがある。 地元に自生する山ぶどうの果汁をジュースにしたものだ。 味は酸味が強くてやや渋みがあるため、 少量ずつ、約50mlくらいを目安に飲むのだそうだ。 ビタミンや鉄分が多く含まれているため、夏バテや貧血などの疲…

小久慈焼

陶器にはその産地の地名がそのまま陶器の名前になっているものが多い。 たとえばマイセンやリモージュ、日本では有田、 伊万里などが挙げられる。 久慈にも小久慈焼という焼き物がある。 小久慈焼には 有田焼や伊万里焼のような豪華な装飾はなく、 実用的な…

琥珀

久慈は日本で随一の琥珀の産地である。 琥珀には癒しの効果がある。 琥珀を火であぶると香ばしい香りが立ち込めて、気分が和んでリラックス効果が得られる。 それに琥珀自体が発熱するためか、熱を帯びていて温かみが感じられる。 琥珀の産地はロシアや東欧…

久慈を知っていますか?

フランスの画家ビゴーの半生を描いたテレビドラマ、 『ビゴーを知っていますか』という番組があった。 22歳から39歳まで日本で暮らしたビゴーは、 知る人ぞ知る社会風刺画家だ。 テレビで紹介されてビゴーが広く知られるようになった。 岩手県久慈市も知…

風疹

今、風疹が大流行している。 私は幼児期に感染したから風疹の終生免疫を得ている。 風疹は三日麻疹(はしか)とも言われている。 その名の通り2〜3日ですっかり治った。 症状も軽かった。 高校時代に報道で風疹の流行が大きく取り上げられた時があった。 …

そして誰もいなくなった

「10人のインディアンの少年が食事に出かけた。 ひとりが咽喉を詰まらせて9人になった。 9人のインディアンの少年が遅くまで起きていた。 ひとりが寝過ごして8人になった。 8人のインディアンの少年がデヴォンを旅した。 ひとりがそこに残って7人にな…

クローズド・サークル

私はミステリー・ファンである。 特に高校時代にはイギリスの作家アガサ・クリスティーの推理小説の全作品を読破するほど夢中で読んだ。 他にフランスの推理作家ジョルジュ・シムノンのメグレ警視シリーズも大体読んだ。 アニメ『名探偵コナン』の映像に 「…

いきさつ

最近、連合赤軍事件をテーマにした卒業論文を書きたいという大学生が多いそうだ。 そういえば私も19年前のちょうど梅雨空の下で、週末になるとあの事件を追って国会図書館の新聞閲覧室で連合赤軍事件が起きた当時の新聞記事を調べていた。 連合赤軍事件を調…

視点と論点

連合赤軍の幹部であった寺岡恒一さんの弟様は 成田闘争に参加したそうだ。 寺岡さんのお母様は、恒一さんを凄惨な手口で命を奪われ、その上弟様まで同じように過激な活動の果てに命を絶たれるのではないかと悲観したそうだ。 学生運動が盛んだった当時、私は…

三猿

日光東照宮に三猿と呼ばれるレリーフがある。 「見ざる、聞かざる、言わざる」になぞらえたものだ。 これは子育ての過程における教訓を意味しているという。 つまり子どもに有害なものを見せたり聞かせたり言ったりすべきではないという教えが込められている…

俳優の証言

先日、雪野建作氏にお会いした際に、4年前に公開 された映画『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』で、寺岡恒一役で出演した佐生有語氏のアルバムもご覧になっていただけた。 雪野氏は佐生氏が寺岡恒一さんによく似ているとおっしゃっていらした。 あの時代…

天才

フランスの数学者エヴァリスト・ガロワ(1811〜1832)は 決闘のため20歳の若さで生涯を終えた。 ガロワは5次方程式の解を証明した論文をまとめたが、 当時の数学者たちに認められなかった。 当時の数学のレベルよりもはるかにかけ離れていた ガロワ理論は、…

高校野球

昨日から夏の高校野球全国大会が始まった。 小学生の時、確か高学年だったと思うが、 クラス全体が高校野球に夢中になったことがあった。 その時なぜか大阪代表のPL学園をクラスの皆で 応援した。 学校とは何の関係もなかったが、 当時応援を取り仕切って…

インスピレーション

私はあまり霊感を信じないほうだが、偶然の一致というものか、 一昨日テレビで石田純一が出演している番組を見ていた。 その時なぜかオーストラリアのカウラのことを考えていた時だった。 石田純一はオーストラリアのテレビ映画『カウラの暴動』に出演して、…

2年前の出来事

2年前のこの日は、実に思い出深い日であった。 映画『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』で、寺岡恒一役を演じた俳優の佐生有語氏と、写真家の古田登紀子さんと、ご一緒して、寺岡さんの墓参と恒一さんのお母様にお会いできた日である。 今日はあいにくの雨…

人生の岐路

人生は、選択の連続である。寺岡恒一さんが、先に合格した早稲田大学に 入学していたら… その後の人生は変わっていたかもしれない。榛名山の管理人の丸岡和平さんが、 山の林道で見かけた不審な男を警察に通報していたら… その後の事態は大きく変わっていた…

由比ヶ浜

西麻布のショップ『スポーツトレイン』のオーナーで、 黒澤映画で有名な俳優の油井昌由樹氏は、 西麻布のことを映画にしたいとおっしゃっていらした。油井氏は脚本も執筆するご予定だそうだ。 西麻布の映画に、『スポーツトレイン』につながりの ある人たち…

人生の達人

「あなたの年齢では 低い丘の途中で人生を振り返るようなもの。 でも私くらいの年齢になると 山の頂上から人生を見渡すことができる」 シャネルブランドの創始者ガブリエル(ココ)・シャネルが、若いモデル志望のノエルに言った言葉。 私はブランドにはあま…

学歴とは

「学歴や家柄だけで人を判断するような、そんな 薄っぺらなつまらん人間になったらあかん」と、 父は生前そう話していた。 子どもの頃、父の最終学歴は高卒だと思っていたら、大学を出ていることが後で分かった。 当時は飛び級という制度があって、大学を2…