2013-01-01から1年間の記事一覧

祖母の証言

東京都内でアパートを経営していた祖母は、 連合赤軍事件について詳しかった。 特に印旛沼事件のことは、祖母から聞いた。 印旛沼事件は、連合赤軍が辿ることになる悲惨な 結末の始まりであり、学生運動の成れの果ての始まりとも言える事件であった。 祖母は…

父親の連合赤軍とは

母親だけではなく父親にとっての連合赤軍事件とは どのようなものであったのか? 坂東國男の父親は、あさま山荘事件で人質を取って籠城する息子の犯行に悲観して、息子が逮捕される直前に自殺した。 吉野雅邦氏の父親も大企業の重役に就いていたが、息子が連…

母親の連合赤軍事件

映画『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』で 寺岡恒一役を演じた佐生有語氏は、 3年前に寺岡恒一さんのお母様とお会いした時、 「”母親の連合赤軍事件”を見た」と述べている。 10月27日に全体像を残す会の皆様も、寺岡恒一さんのお母様にお会いして、 母親…

作品は残る

ロシアの民話『石の花』の登場人物で、孔雀石の名工が、「人は死ぬが作品は残る」と 言う場面がある。 今は亡き思い出深い人が残した遺品には、生前の人柄が偲ばれる思いがするだけでなく、まるでその人に会っているかのような気持ちになる。 寺岡恒一さんの…

柿の木

10月27日に寺岡恒一さんのお母様を、連合赤軍の全体像を残す会の皆様とお伺いした際に、 寺岡さんの庭の柿の実を皆で取らせていただいた。 お宅の庭に入ったのはこの時が初めてだった。 庭には白いぜフィランサス(タマスダレ)の花も咲いていた。 恒一…

墓参に想う 歳月の重み

この日は、昨日までの台風とは打って変わって、 正に台風一過の青空に恵まれた。 寺岡恒一さんのお墓参りをするのは3月下旬以来のことだ。 この秋らしい青空に見守られて気持ちよく墓参ができそうだと期待した。 全体像を残す会の皆様よりもやや早目に着いた…

ヨゴサワさん

私がまだ小・中学生だった頃、天気予報の番組に 気象予報士のヨゴサワさんという方がいらした。 たぶん「与五沢」さんという字だったと思った。 ヨゴサワさんという名前が珍しいこともあるし、気象の解説が分かりやすかったので、天気予報の時間に なると、…

偶然

秋分の日の頃、寺岡さんをお訪ねしようと思っていたが、父のお墓参りや祖母の供養などで、9月下旬は 用事が重なった。 10月に入り、寺岡さんに連絡をしてみたところ、 下旬ならご都合がよろしいということで26日にお会いする予定にしていた。 雪野建作氏…

阿字の子

『連合赤軍の全体像を残す会』では、12月初旬に 山岳ベースで犠牲になったメンバーの宿営地と 埋葬地を巡る慰霊の旅をしたのだそうだ。 倉渕村では雪が降り、あさま山荘では氷点下の厳冬に凍えるような思いをしたそうだ。 事件が起こった時と同じ時期に現場…

仲秋節

今日は中秋の名月である。 中秋は元は中国の行事で、中国語では「仲秋節」と表記される。 仲秋節には月を見ながら月餅を食べる習慣があり、特にこの時期は、塩漬けした卵黄が入った仲秋月餅が広く出回る。日本のお月見も、中国の仲秋節から来ている。 ススキ…

過去と今

この春、寺岡さんにお会いした時、 杉崎ミサ子さんのことが話題になった。 寺岡さんは杉崎さんが恒一さんと組織上での 夫婦だったことを当然ご存知であろう。 前年に雪野建作氏にお会いした時のことを 思い出した。 寺岡さんがお元気でいらっしゃる時に、雪…

オリンピック 2020

今朝、雨の音で目を覚まして何気なくテレビを見たら 2020年のオリンピックが東京に決定した。 前回はオリンピックの東京招致を他人事のように思って、 あまり関心がなかったが、今回は東京に決定して嬉しく思った。 私も東京都民として微力ながら何か役立ち…

Daffodil Day

オーストラリアの友人が末期癌だとの知らせがあった。 彼女とはもうかれこれ四半世紀の交流がある。 オーストラリアでは8月下旬から9月上旬に daffodil(ラッパスイセン)の花が咲く。 ちょうどその時期にオーストラリアではDaffodil Dayという 癌撲滅を目的…

母のない子

学生運動が盛んだった当時の流行歌に 『時には母のない子のように』という歌があった。 作詞は寺山修司。 「時には母のない子のように だまって海をみつめていたい 時には母のない子のように ひとりで旅に出てみたい だけど心は すぐかわる 母のない子になっ…

夏は朝

清少納言は『枕草子』で、「夏は夜がいい」と言っている。 しかし私は、夏は朝がいい。 夏は早く夜が明けるから、明るい朝日と共に気分が前向きになる。 夏の朝は空気も爽やかで気持ちよく過ごせる。 夏はなるべく早寝早起きを心がけている。 毎朝咲く朝顔は…

琥珀王国

三陸鉄道の久慈駅の愛称が、「琥珀王国」に決まったそうだ。 駅舎も琥珀をイメージした建物に改装したのだそうだ。 久慈は北限の海女と琥珀と焼き物の町だが、 特に琥珀に対する思いが強そうだ。 久慈のシンボル的な建物に、アンバーホールという 市の文化会…

きぶどう

久慈の特産物に、きぶどうのジュースがある。 地元に自生する山ぶどうの果汁をジュースにしたものだ。 味は酸味が強くてやや渋みがあるため、 少量ずつ、約50mlくらいを目安に飲むのだそうだ。 ビタミンや鉄分が多く含まれているため、夏バテや貧血などの疲…

小久慈焼

陶器にはその産地の地名がそのまま陶器の名前になっているものが多い。 たとえばマイセンやリモージュ、日本では有田、 伊万里などが挙げられる。 久慈にも小久慈焼という焼き物がある。 小久慈焼には 有田焼や伊万里焼のような豪華な装飾はなく、 実用的な…

琥珀

久慈は日本で随一の琥珀の産地である。 琥珀には癒しの効果がある。 琥珀を火であぶると香ばしい香りが立ち込めて、気分が和んでリラックス効果が得られる。 それに琥珀自体が発熱するためか、熱を帯びていて温かみが感じられる。 琥珀の産地はロシアや東欧…

久慈を知っていますか?

フランスの画家ビゴーの半生を描いたテレビドラマ、 『ビゴーを知っていますか』という番組があった。 22歳から39歳まで日本で暮らしたビゴーは、 知る人ぞ知る社会風刺画家だ。 テレビで紹介されてビゴーが広く知られるようになった。 岩手県久慈市も知…

風疹

今、風疹が大流行している。 私は幼児期に感染したから風疹の終生免疫を得ている。 風疹は三日麻疹(はしか)とも言われている。 その名の通り2〜3日ですっかり治った。 症状も軽かった。 高校時代に報道で風疹の流行が大きく取り上げられた時があった。 …

梅雨の風物詩

今、あちこちでドクダミの花が満開だ。 いたるところにドクダミの群生が見られる。 ドクダミは梅雨の時期に咲き始めるといわれている。 6月の梅雨の合い間の晴れの日は本当に過ごしやすく、貴重な天気だと思う。 今の時期は日が長くて、いつまでも明るいから…

答えは一つ

祖父は数学が得意で、学生の頃は数学の成績が いつもトップだったそうだ。 祖父が数学に魅力を感じたのは、数学の解の求め方は幾つもあるが、あらゆる方法で数学の解を求めても、いつもただ一つの答えに辿り着くところだ、と話していた。 私は連合赤軍事件に…

座右の銘

「他人の過ちは許すがよい、 但し自分の過ちは許してはならない」 この言葉は意外にも連合赤軍事件の主犯者、永田洋子が座右の銘にしていた言葉だそうだ。 何と立派な心がけだったのかと感心する。 しかし彼女は座右の銘にしていた言葉を意識しすぎたのだろ…

自責の念

中国映画『西太后』は、西太后の悪逆非道ぶりが 誇張されて描かれているが、その映画の中で、 自分よりも美しく長い手足を持ち、皇帝の寵愛を受けていた麗妃に嫉妬した西太后が、麗妃の手足を切断して甕に入れる場面がある。 映画の最後の場面で、甕に入れら…

桜の頃、墓参に想う

今日、久しぶりに寺岡恒一さんのお墓参りに行った。 今年は桜の開花が例年よりも早く、霊園の桜並木も満開だった。 あいにく霧雨が降って、どんより曇った空だったが、 それでも満開の桜は鮮やかで、見ごたえのある素晴らしい景色が眺められた。 ずっと霊園…

故人と共に生きる

「死者と共存し、死者と共に闘う」と、ある作家が書いていた。 思えば私も20年前に見た新聞記事に端を発して以来、 連合赤軍事件の亡き同志たちと、とりわけ寺岡恒一さんと共に 生きてきたように思える。 41年前の今日、連合赤軍大量リンチ殺人事件で犠牲に…

春の歩み

何と長かった休止符だろうか。 冬が終わって春が来てしまった。 今度は花粉症の症状が重く、花粉が皮膚にも入り込んで 顔や手までもかぶれてしまった。しかし春の日差しが暖かく、ありがたく感じている。 日が長くなって、夜明けや日没が伸びてきたようだ。 …