マムシ

私が今住んでいる所はマムシの生息地でもあり、
昨日も職場がある学校のそばに、マムシの死骸が
あった。道端で車に轢かれたらしい。
猛毒を持つマムシに噛まれたら命を落とす危険性もあり得るから、市内の主な病院にはマムシの血清がある。
少し離れた野山に行くと「マムシに注意」という看板が多く見られる。
マムシといえば新撰組土方歳三を思い浮かべる。
この近辺は新撰組にゆかりのある場所が随所に見られる。
また土方という姓名が多い。隣の地主も土方氏だ。
司馬遼太郎は著書『燃えよ剣』で、土方歳三を描くに際して
マムシ臭い」と書いている。
実際、土方歳三も外出の時にはマムシよけの竹棒を常に
持ち歩いていたらしい。
新撰組は、集団で徒党を組んで闇討ちなどの卑怯な手段で多くの優秀な人材を殺め、
そのために明治維新を遅らせた凶悪なテロリストでしかないと思っていた。
しかし新撰組もまた日本の行く末を真剣に案じて行動に出た集団であった。
彼らが、幕府の手先として都合よく利用されていたのかと思うと、かわいそうな気がした。
マムシ臭い土地で剣に燃え尽きた土方歳三が学問にも燃えていたら、
彼の人生は変わっていたかもしれない。