座右の銘

「他人の過ちは許すがよい、
但し自分の過ちは許してはならない」
この言葉は意外にも連合赤軍事件の主犯者、永田洋子座右の銘にしていた言葉だそうだ。
何と立派な心がけだったのかと感心する。
しかし彼女は座右の銘にしていた言葉を意識しすぎたのだろうと思われる。
京浜安保共闘のリーダーだった永田洋子は、日本赤軍と山岳アジトで合流した時、日本赤軍側から、自分たちのメンバーがだれも水筒を持って来なかったことをとがめられた。
彼女は自分の過ちを過大に指摘されたと思い、そんな自分が許せなくて相当悔しがっていたそうだ。
もし永田洋子がもっと広々とした大きな視点で座右の銘を捉えていたら、
水筒を持って来なかったことを指摘されただけで悔しがるような狭い了見で事を構えず、笑い飛ばすくらいの度量の大きさがあったら、その場の気まずい雰囲気が解消して双方の心にゆとりが生じ、良い方向性が見出せたのではなかろうかと推察した。
言葉の意味を理解するためには読解力が必要だ。
それには多くの名作を読むことだ。
そうすれば言葉の意味だけでなく、人の感情や心の内面まで理解することができるようになる。
永田洋子はあまり読書をせず、生涯名作に触れることがなかったらしい。
人の失敗から学ぶことは多々ある。
しかし連合赤軍事件はとりかえしのつかない誤りだ。