答えは一つ

祖父は数学が得意で、学生の頃は数学の成績が
いつもトップだったそうだ。
祖父が数学に魅力を感じたのは、数学の解の求め方は幾つもあるが、あらゆる方法で数学の解を求めても、いつもただ一つの答えに辿り着くところだ、と話していた。
私は連合赤軍事件について、祖父のように数学的にあらゆる観点から事件を検討して、どこか弁護すべき点や考慮すべきところはなかったものだろうか、
情状酌量の余地はなかったのかと、解決の糸口を検討してみた。
しかし行き着くところはただ一つ。
いかなる弁護をもってしても到底償いきれない、まぎれもない犯罪であるという結論に達する。
全共闘や、あの時代の学生運動は、世の中を自分たちの手で良い方向に変えていこうとする思いから運動が始まった。
彼らが目指していたことは立派なことだった。
いくら目指していたことが立派でも、結果が伴わなければ立派な志も台無しになる。
連合赤軍は方向性を見失い、大きな誤算へと発展していった。
連合赤軍事件は、どんな弁解も通用しない明らかな犯罪であることに変わりない。
決して「仕方がなかった」では済まされない取り返しのつかない犯罪であるということを再認識すべき事件である。
ただし、彼らが目指していたことは決して間違いではなかった。