科学にはロマンがある

「科学にはロマンがある」
連合赤軍の幹部で命を奪われた寺岡恒一と生き写しの昔の恋人は常々そう話していた。
寺岡恒一さんは大学受験で横浜国大のほかに
早稲田も合格した。
その早稲田大学は私の恋人の出身校だった。
専攻科目も同じ理系だった。
恒一さんとは亡くなった年齢も近く、同じ横浜の人だと分かった。
映画『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』で寺岡恒一役を演じた佐生有語氏は、
長いこと海外で遺骨収集活動もなさって、仕事で得た収入の大半を平和活動資金にしていたそうだ。それをひけらかすこともせず、何と立派なかただろうと思った。
きっと叙事詩のような体験をなされたことであろう。
その佐生氏は国内でも平和活動をなさって、横浜市内の英連邦戦死者墓地に毎年参拝していらっしゃるそうだが、その地は寺岡さんのご自宅から程近いところにあるという。
何か不思議なつながりを感じざるを得ない。
科学では割り切れない、もっと計り知れないものが確かに存在するような気がする。
しかしそれらも果てしない科学のロマンに当てはまるようにも思える。