時代は変わっても・・・

映画『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』の最後に「勇気がなかったんだ」と叫ぶ場面がある。
「自分の意見を言いそうな人たちが殺されていた。
寺岡恒一君だったら自分の意見を絶対言いますからね。
金子さんも、大槻さんもそうだし」(元メンバーの
インタビュー)
勇気を出して意見した者が殺されて、勇気がなかった者が生き残ったのだろうか?
あの時あの場所で何が起こったのか、その真相に迫ろうと思って榛名山倉渕村を訪れたことを思い出す。
「あれは明らかに犯罪であり誤りだ。しかし彼らが目指していたことは決して間違いではなかった」(若松孝二氏のコメント)
この映画監督の言葉こそ、当時の若者たちの志に強く共感した映画の主題であり、その真意が読み取れる。
寺岡恒一役を演じた佐生有語氏は、「時代は変わっても、何も変わらない」と述べている。
先月中旬に寺岡恒一さんの墓参の後、恒一さんのお母様をお訪ねした。
あの事件のことは忘れたことはない、とおっしゃっていた。
恒一さんの遺影の前には佐生有語氏から贈られたサイン色紙が大切に飾られていた。
まるで時間が止まっているように感じた。