悠悠閑閑

このダイアリーのタイトル「悠悠閑閑」という言葉を初めて知ったのは高校の卒業文集であった。
書いたのは美術の先生だった。
私はその先生には直接習ったことはないし言葉を交わしたことさえなかったが、顔には口ひげを蓄えて、どこか飄々としたイメージの先生だと思っていた。
卒業文集に書かれた先生方のメッセージのほとんどが叱咤激励の言葉ばかりだった中で、美術の先生が、たった一言「悠悠閑閑」とだけ書かれた。
私はなぜかこの言葉が強く印象に残った。
まるで引退する人への餞のような言葉だと言う人がいたが、私には、悠然と構えて冷静に物事に動じないで生きればよい、とのメッセージだと思った。
このダイアリーを始めるにあたって、真っ先に「悠悠閑閑」が頭に浮かんだ。
何と味わい深く心に響く言葉だろうか、と懐かしい思いがする。
この言葉を書いた美術の先生は、今頃それこそ悠悠閑閑と日々を送っていらっしゃるのではないかと想像している。
このダイアリーを始めてから、もう4年の歳月が流れたことになるのかと、
感慨に浸っている。