海の素顔

江ノ電で巡る湘南海岸は、波も穏やかで、
美しい海岸線がどこまでも続いて
引き込まれるような景色だが、そんな穏やかな海も、
時には人の命を一瞬のうちに奪い去る厳しい一面も持ち合わせている。
今から100年前の1910年に七里ヶ浜沖で水難事故があった。
逗子開成高校ボート部の学生が、学校に無断で
ボートで海に繰り出したが、船が転覆し、乗っていた12名全員が命を落としたという。
人間は水には蟻のように無力だ。
一見穏やかそうに見える海でも突然波が押し寄せて、すべてをさらっていくこともある。
穏やかな一面と、過酷な一面を併せ持っている海に
自然への畏敬の念を抱かずにはいられない。