啐啄同時

同じ時期に同じことを考えて双方で同じ行動をとることを
啐啄同時という。
元は仏教の言葉で、鳥のヒナが自力で殻を割って生まれようとする時に親鳥もそれを察知して、くちばしで卵の殻を破ってヒナの誕生を助けることに由来する。
映画『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』で寺岡恒一役を演じた佐生有語氏と、
恒一さんの墓参と寺岡さんのお母様にお会いできたことを、このダイアリーに書きとめた。あの時は写真家の古田登紀子女史もご一緒して、その出来事を写真に残していただいた。
ちょうどその時のことを懐かしく思い出していた頃に、佐生有語氏も同じように寺岡さんの墓参とそのお宅への訪問の様子を写真のアルバムにまとめていらしたことを知り、
大変驚き感動した。佐生氏もまた、この日のことを大切に心に留めてくださったのだと
感謝の気持ちでいっぱいになった。
私の願望からの憶測かもしれないが、何か双方で通じ合う測り知れない共通の働きかけがあったように思えてならない。これは科学分野のテレパシー現象なのかもしれない。
写真は文章よりもリアルで人の心を打つ説得力がある。
寺岡恒一さんのお母様がこの写真アルバムをご覧になる機会があったら
本当に喜ばしいことだ。あの時のことが映画のように鮮明によみがえってくるようだった。そのようなかけがえのない1日を共有できて、佐生有語氏と古田登紀子女史のご誠意にあらためて感謝したい。