朋来たる

長年文通をしていたオーストラリアの友人の弟さんご夫妻にお会いした。

ダイヤモンドプリンセス号で東南アジア各国を巡って日本各地の港湾都市を訪れ、クルーズの最終目的地の横浜に寄港し、最終目的地の東京でお会いした。
途中、鹿児島にも立ち寄ったが、熊本地震の影響はなかったそうだ。
私は長年の友人の手紙やカードをファイルしたものを持参して、在りし日の友人をともに偲ぶことができた。
友人の弟さんは一番末の兄弟で、もう兄も姉も全員亡くなったそうだ。
末っ子は上の兄や姉が何でも面倒を見てくれてうらやましいと思っていたが、兄や姉の最期を見届けなければならない宿命があるのだと知らされて、それも気の毒な役目だと思った。
新宿の宿泊先のホテルのラウンジでお茶を飲みながら、故人の思い出話で友人を偲んだ。
もう桜の時期は終わってしまったが、ホテルから程近くには新宿中央公園の新緑が滴るように瑞々しく鮮やかに木々を染めていた。
時間が緩やかに過ぎていき、楽しいひと時を過ごせて嬉しく思った。
不思議なことに亡き友人も同席して一緒にお茶を楽しんでいるかのように感じた。
新緑の季節の思い出深い時間があっという間に過ぎていくようで、別れが名残惜しく、再会を願った。