花花花

関西の桜と言えば京都を思い浮かべることだろう。
平安神宮仁和寺の桜の美しさは筆舌に尽くす思いがする。
京都の桜も見事だが、大阪の桜も実に豪華さがあって美しい。
その代表的な桜が造幣局の通り抜けである。
私もずっとこの大阪の桜にあこがれて、一目見たいと思っていた。
今年はやっと念願が叶って丁度桜の時期に大阪を訪れることができた。
水の都大阪は、パリのような街だと思った。
水上バスで川面に咲き誇る満開の桜を楽しんだ。
そしていよいよ桜の通り抜けを体験した。

予想通り大勢の人が繰り出して、造幣局に行くまでも道路や橋は多くの人の波で埋め尽くされていた。
しかし造幣局に入ると数々の見事な桜に圧倒されて人の波はそれほど気にならなくなった。
どの桜もみな絢爛豪華に咲き誇り中には手が届きそうな低い位置で大輪の花をつけたものもあり、これほど身近に桜を見たのは初めてだった。
さらに興味深かったのは、大阪造幣局では桜の通り抜けをテーマにした俳句や川柳の投句を募集して、優秀作品を短冊に書いて桜の木に掲げていることだった。
その中にこの光景を実に的を得た面白い句があった。
「花花花人人人で これもよし」
正にこの句が桜の通り抜けを、ひと言で言い当てているようだ。
また行きたい。