食物と犯罪

私が連合赤軍事件を初めて知ったのは、恩師の川島四郎博士の講義でのことだった。
事件当時、検察側の捜査を担当していた川島博士は、連合赤軍のメンバーで会計係だった寺林真喜江から押収した出納帳をもとに、彼らの食事を調べたところ、缶詰、インスタント食品などの加工食品ばかり摂り、野菜や果物などの生鮮食品を全く摂らなかった事が分かった。
ビタミン、ミネラルが不足すると、思考判断力が落ち、疑心暗鬼になり、さらには精神不安定に陥り、暴力的になる症状が現れる。
わずか2ヶ月の間に12名の仲間を凄惨な手口で虐殺し、さらには、あさま山荘での籠城殺傷事件に至っては、ビタミン・ミネラル欠乏症が引き起こした食物の犯罪の顕著な例とする科学者の立場からの事件分析が印象に残っている。

まちがい栄養学 (新潮文庫)

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