哀悼のピアノ曲

秋は芸術やスポーツ、読書、音楽など様々な活動が盛んになる。
私はやはり芸術の秋、それも音楽に興じることが多い。
特にピアノを演奏したくなる。
1849年の今日、ショパンが亡くなった日だ。
当時まだ死病だった結核で39年の生涯を閉じた。
命日に合わせてショパンを弾きたい。
ショパン国民楽派の先駆者のような作曲家だと思う。
ポーランドの伝統音楽のポロネーズマズルカなどを数多く
作曲して紹介したからだ。
それまで不協和音とされていた7度の和音を取り入れた多くの作品が特徴的で印象深い。
ショパンの祖国ポーランドが分割されて国を失った悲しみや、祖国奪還を企てるも
大国の武力の前ではなすすべがない悔しさや憤りや無念さが、あらゆる曲の中に
表現されている。
優美と感傷とが融合したような繊細な曲を弾くのが
楽しみだが、最近ショパンを弾くのがしんどくなって
きた。
ポロネーズの中でもダイナミックでありながらも繊細で気品あふれる「英雄ポロネーズ」や、勇壮だが美しい音色の「軍隊ポロネーズ」は、今はもう弾けない。
それでもせっかくだからこの日は、初めに「プレリュード(前奏曲)」を、次に「マズルカ」、
ノクターン」を、最後に「幻想即興曲」を弾いて私なりの哀悼の意をささげたい。
もしショパンだったらこれらの曲をどのように弾くのだろうかと、思いを巡らせながら。
そして今はもう弾けなくなった「英雄ポロネーズ」を鑑賞して感動したい。