英連邦戦死者墓地

横浜には3つの外国人墓地がある。
ひとつはあの有名な山手の外国人墓地である。2つ目は華僑の墓地、
そして3つ目が保土ヶ谷区の英連邦墓地である。
『カウラ日本兵捕虜収容所』の著者、永瀬隆氏は、1995年から毎年8月に英連邦戦死者墓地で関係国の人々を招いて追悼礼拝を催していらっしゃる。
アメリカ映画で、永瀬隆役を演じた佐生有語氏も、永瀬氏ご本人と共に毎夏、追悼礼拝に参加なさっているそうだ。
佐生有語氏は、映画『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』で寺岡恒一役で出演して、ご親切にも寺岡恒一の墓参とお母様にお会いするために横浜のご自宅へご一緒したが、
そのご自宅は英連邦戦死者墓地から歩いていける距離にある。
寺岡さんのお母様はその墓地のそばの公園に、お孫さんが幼い頃に行ったそうだ。
永瀬氏のこともご存知のようだった。
アメリカ映画で永瀬隆役を演じた俳優が、息子の役で映画に出演していたこと、
しかも毎年自宅のすぐそばまで来ていたことを、寺岡さんのお母様は、驚きと感動と共に、何か奇遇なつながりを感じていらしたように思えた。
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2人の実在の人物を演じた俳優、佐生有語氏のおかげで、これらの断片的な人と場所がつながって深遠な廻り合わせを感じることができた。
私も戦死者のご冥福をお祈りしたい。